少々お酒を聞こし召し候

大好きなワインの話題をメインに、読書や趣味に走りまくった備忘録。今宵も少々お酒を聞こし召し候。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)
(2009/06/17)
夏井睦

商品詳細を見る


昨年読んだ新書の中で一番面白かった。(今さらですが)
湿潤療法は以前から実践していたが、なぜそれが有効なのかは今ひとつわかっていなかった。その辺りについて本書を読めばばっちり理解できる。なぜ消毒してはいけないのか、なぜ化膿するのか、傷ができてから治癒するまでの過程を理解することで、正しい治療法がみえてくる。

傷口の治療というのは古くから民間療法で行われているが、人間の考える治療法というのは実に恐ろしい。十六世紀頃までは「銃で撃たれた傷は沸騰した油を注いで治療する」などという恐ろしい治療法が罷り通っていたのだ。しかし、現在になって正しい治療法に改善されたかというと、そうとも言い切れない部分がある。臓器移植などの画期的な治療法が次々と発明されているなかで、擦りむき傷やヤケド傷については既に成熟した技術と思われているためか、見直しなどがされず、今でも正しいか間違っているかの判断が曖昧なままで医師の処方が行われているのです。

では、湿潤療法についても本当に正しいのか?という疑問をもって本書を読まなければならないが、本書で記されていることは疑似科学的な内容ではなく、論理的に治癒までの過程が記されており信頼はおける。何より、消毒をすることが正しい、乾燥させることが正しいというのであれば、切れ痔(肛門にできる裂傷)はなぜ治るのか?という疑問に対して、回答をせねばならない。肛門とはご存知のように(わざわざ念を押さなくてもよいのですが)湿潤環境であり、何より外側からヒトをみたときに一番不潔な部分だ。そんな環境の傷をどのように治すのか?本書ではこの部分に対して明確な回答を持っている。

上記のように湿潤療法の話が鍵になっているが、本書で最も訴えたいことは既成概念に囚われずに、何事も疑問を持って考えなくてはならないということ。そして、既成概念を変えることは膨大なエネルギーが必要となること。傷の治療法一つとってみても、世界を変えるということは大変なことなのですね。


面白いのは後半部分に書かれた皮膚常在菌の話など、人間がもつ菌についての説明だ。肌を若々しく保つ方法などについて言及している。肌を若く保つためには化粧をしない方が良いという結論に達するのは、少々寂しい気もするが…

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://donmatahachi.blog21.fc2.com/tb.php/335-79fa950a

またはち

Author:またはち
趣味は広く深くがモットー。でも下手の横好きばかりで全てが中途半端。。。熱しやすく冷めやすすぎ。打ち込み続けることができる趣味が欲しいところです。
最近はTwitterメインで更新をサボってます。

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。